最初に断っておきますが、今回の話はデイトレードを勧めるものではありません。デイトレードは投資ではなく投機、ギャンブルです。
ただし、期待値で見るとパチンコや競馬よりも高く、ほどほどに楽しむ分には問題ないし、性格的に合う人が腕を上げれば継続した利益も出しやすいと思います。
どちらがハイリスクか
かなり極端な例ですが、次の2例についてどちらがハイリスクか考えてみます。
- 1銘柄にフル投資で長期保有
- ランダムに銘柄を選んでデイトレード
長期投資だからリスクが低いわけではない
これは少し前に某社長がクビになった家具屋さんの10年チャートです。
例えばこの会社の株だけを長期保有していた場合、少なくとも1年以上前に買った人は全て損失を抱えた状態です。10年以上前はわかりませんが、含み益の人はほぼいないでしょう。
「そんな先行きの怪しい会社を買わなければいいやん」って思いますが、まぁ確かにこの会社は極端にしても、原発事故前の東京電力、コロナ前の航空会社や鉄道会社、これらなんてこんなにガタガタに株価が崩れるようなことが起きるなんて誰が想像しました?
どんなに安定していると言われている会社でも明日何が起こるかわかりません。
もちろんファーストリテイリングのように長期で数百倍に上昇している銘柄もあります。一方で最悪破綻してしまう会社も一定数あります。
「だからリスク下げるために銘柄分散してしてる」
そうなんです。結局、リスクを下げているのは銘柄分散なのであって、長期投資だからではありません。
分散するほど変動率は市場平均に近づきます。一番極端に分散したのが日経平均連動型などの投資信託です。
長期投資で安定的に資産を大きく増やすためには、伸びそうな銘柄を選びつつ分散しすぎないことが重要です。
デイトレードだからリスクが高いわけでもない
次にデイトレードの例です。デイトレードは一般的に投機・ギャンブルと言われます。会社の成長期待を買うのではなく、日々の値動きに着目したトレードなので、これについては私も同意見です。
ただリスクが高いかというと必ずしもそうではありません。
最近のネット証券は売買を繰り返しても手数料は激安です。そうなると売買数が増えたところで極端に手数料を持っていかれることはありません。
株価の上下が資産の増減と考えていいでしょう。何も考えずに適当に銘柄を選んで、毎日始値で買って、終値で売るようなトレードをした場合、日々の変動は大きくなったとしても、長期で平均すると市場平均の騰落率に収束すると期待できます。
株式投資の期待リターンはプラスなので、デイトレードの期待リターンもプラスになります。
これがパチンコや競馬との違いです。パチンコや競馬の場合、元々の期待リターンがマイナスなので、その中で勝ち続けるのは容易ではありません。FXなどの為替取引は、ほぼプラスマイナスゼロなので、パチンコや競馬よりは期待値が高いですが、株式投資よりは低いです。
そして、パチンコや競馬ですら極めた人はプラスになるのだから、デイトレードで相場を読める人はプラス収益を出せる可能性が高いです。そう考えると、1銘柄を長期保有するよりも、デイトレードの方が収益の変動幅は小さく、リスクが小さいと言えます。
なぜ危険なのか
じゃあなぜデイトレードはリスクが高いと言われるのか?
これはパチンコや競馬と同じです。
- 依存性
- レバレッジを掛けた取引
パチンコや競馬だって、趣味レベルの少額で楽しくやっている分には批判されることはありません。依存症になって借金してまでやる人が一定数いて、人生破綻するから批判が起こるのです。
デイトレードも同じで、自分の取れるリスクの範囲内でコツコツとやるだけなら問題ありません。ただそれでは満足できず、自己資金の何倍ものレバレッジをかけて取引する人がいます。当たると大きな儲けになる一方で、大きく外れたときに一発退場になってしまいます。長期での期待値がプラスでも、退場して再起不能になっては意味がありません。
デイトレードは相場の上下を読み取る力量はもちろん必要ですが、瞬間での判断力、冷静さ、資金管理能力などが無いと継続的に利益を出すのは難しいと思います。
私はデイトレードはほとんどしません。それは以下の理由です
- 時間を取られる
- 不安 > 快楽
- 結局は性格的に合わない
自分の性格を見つめなおし、退場しない投資スタイルで継続することが資産を増やすのには重要です。
株式投資の世界には色々なスタイルで参加している人がいます。その日のうちに売買を完了するデイトレーダーから、数年、数十年単位で継続保有する長期投資家まで様々です。それぞれ、自分が勝てる手法で参加すればいいと思ってます。
コメント
リスクとは何かということになりますけど、基本的には投資の期間とリスクっていうのは直接は関係なくて、別に長期だからリスクが低いということもないかと思いますね。
書かれているように、適切な銘柄なり資金投入の分散ということがリスク低減にはなるでしょうが。
デイトレは朝、前場に細かくすることが多いです。
最初からデイトレで利益を得ようと売買しているというより、売り上がり・買い下がりの中で、売ったよりも安ければすぐ買い戻す、買ったよりも高ければすぐ売るというだけのことで、1,000円以下銘柄なら、100株売買で利益1,000円とかそれ以下というようなものです。ベースは無期限でのPF運用ですから、こんなのはしなくてもいいのですが、まあ、楽しみの部分も大きいです。
デイトレではなくて翌日持ち越しというような形もよくあり、今日も5384フジミインコーポレーテッドを売っておきました。
博打感覚の興奮感があるのはIPO初値買いのスキャルピングですが、こちらは年間トータルでは利益が出るエッジはあるのではないかと思っているので、あれこれ考えつつ、エンターティンメントとしても取り組んでいきたいと思っています。
インベストメントの視点で銘柄選択をファンダメンタルズ的にあれこれ考えてみるのは楽しいし、フィールドが広いです。同時に、売買の楽しみというのもあって、これは質が違い、頭の中で使われている、活性化している場所も多分違うんでしょう。
それなりの実利はあるけれど、つまらないのが優待クロスという感じです。
私も朝の始まりとかはザラ場を見ていることが多くて、値動きも荒いことがあるので売買したくなるのですが、瞬発力が無いので付いていけなくて面倒になってしまいます。
優待クロスはまだやっと1年たったところなので結構楽しくしてますが、単純作業が多いので面倒になってきますね。あと、トレードでの損失はそういうこともあるって感じで諦めがつきますが、クロスでミスっての損は注意すれば防げるものなのでショックが大きそうです。
3月の優待クロスとかは、もう超絶に面倒だったりします^^;。
が、実利はそれなりにあって、借入金の金利ぐらいほぼノーリスクでまかなえます。
確かに細かい利益を取りに行く優待クロスで注文ミスとかで損失が出るとがっかり感が大きいですね。
逆に、個々の売買では最初から損失が出ることを想定しているIPO初値買いでは、損失が出ても、自分のイメージどおりの売買がすすめられると、金額としては優待クロス失敗の損よりも損失は大きくなっても、不快感はそんなになかったりしますね。