もうすぐ3月決算企業の株主総会がピークを迎えますが、新型コロナウイルスの影響で例年とはかなり様子が異なる株主総会になりそうです。
そんな中、ここ数年続出している株主総会でのお土産廃止の流れが、新型コロナウイルスの影響で急加速しそうです。おそらくは、大半の企業は来年以降も廃止のままになると思われます。
総会お土産廃止
株主総会でのお土産は、総会集中日にお土産だけ回収して複数の会場を回る人に注目が集まったり、地方民からしたら総会出席するのに多額の交通費などが必要で参加できないのに不公平だという声もあり、何かと問題になってここ数年は廃止する企業が続出しています。
総会案内にも
- 本年は・・・
- 本年から・・・
大体このどちらの文字が。意識して使い分けているかわかりませんが、「本年から」としている会社は確実に来年以降も廃止になるのでは?「本年は」としている会社はどちらか読めません。
廃止による企業のメリット
- お土産調達コスト削減
- 総会出席者数が安定する
- 総会会場が小さくて済む
- まともな株主意見が増える
- 理不尽な批判・トラブルを回避
お土産調達コストは大きな会社なら微々たるものかもしれませんが、小さな会社だとそれなりに大きいでしょう。対応する社員の人件費もかかります。
特に東京でのピーク時期の開催となると、他の会社との開催日や開催場所の関係次第で出席者数が大幅に変わってくる可能性があります。それだけお土産目当ての出席者が多いということ。
お土産目当ての参加者がいなくなり、参加者数が予想しやすくなると総会会場が小さくて済みます。コスト削減はもちろん、準備する方にとってこれほど楽なことはありません。
お土産目当ての参加者も総会で質問することが当然あります。そういう方は事業内容についてではなく、株主優待とか自分の利益最優先でのどうでもいい質問をしがちです。お土産を廃止すれば、本当に会社に関心のある株主の参加だけとなり、質問の質が向上する気がします。
お土産配布があると遠くに住んでいて出席できないのに不公平だという意見は必ずあるでしょう。総会終了後に配布とかにしようものなら、何だかんだと理由を付けてもらおうとする人が出て来るでしょう。この無駄な対応もお土産廃止で無くなります。
株主総会でのお土産配布は、対応する企業・社員からしたら面倒な事しかありません。
じゃあそんな面倒なことを続ける企業側にメリットはあるのか、廃止によるデメリットを考えてみます。
廃止による企業のデメリット
- 出席者の大幅減
- SNS・ブログなどでの拡散効果消失
- ファン株主との接点消失
- そもそもデメリット無いんじゃ?
無名で株主数の少ない企業なんて出席者が一桁なんてこともあるのでしょうか?それはそれで開催する方は虚しい気持ちになるかも。
総会お土産を廃止してしまうと、総会後にSNS・ブログなどで取り上げてくれる株主が減ります。知名度の無い会社にとってはPR効果が無くなります。
日本トランスシティなんて他に誰が書く。
それは冗談として、そもそも廃止によるデメリットが思いつきません。そこが同じ不公平案件でも株主優待との違いです。
株主優待は、少数株主を優遇する不公平が有っても、株主数を増やすとか、知名度向上とか、株価の安定とか、導入する企業側にも目的やメリットがあります。
それに対して、総会土産は継続するメリットが思いつきません。
今回のコロナウイルスを理由にこのまま廃止する企業がほとんどだと思います。
これからの株主総会
新型コロナウイルスとは関係なく、地方民に無力感を与える従来型の株主総会は変えていく必要があると思います。
総会土産にかけるコストがあるなら、総会のネット配信化を進めるべきでしょう。
それでもお土産が続く企業
そうは言っても、全ての企業でお土産が廃止されるとは思いません。特に自社商品や店舗がある企業であれば、より事業内容を知ってもらうため、サンプル配布や店舗割引券の配布は残るでしょう。
地方企業であれば、交通費的な意味で気持ち程度のクオカードとかは残るかも。
逆に言えば、それ以外の企業はほぼ廃止されるのではないでしょうか。
ちなみに総会土産目当てに総会めぐりをする人たちを批判する意図は全くありません。時間と手間はかかってると思うので、後配布のを先に頂戴とかいうような常識外れの行動さえなければ構わないと思います。
私も過去に参加した株主総会は全てお土産付きです。
ただ過熱しすぎると株主優待も同じですが、対策を取られてしまいます。優待の場合は長期保有条件とかでしょうが、総会土産の場合は廃止となるでしょう。
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