「100億円還元」をうたい、特設サイトからふるさと納税を申し込んだ人にAmazonギフト券をプレゼントするという、大阪府泉佐野市が実施しているふるさと納税「閉店キャンペーン」ですが、世間を見ると泉佐野市に対して好意的な意見が多いようです。
でも、本当にそれでいいの?と思います。
好意的な意見の人は、どんな考えで好意的なんでしょう?
単に国や総務省に対して批判的で、そこにケンカを売っている姿勢を評価しているとしたら思い違いです。
泉佐野市のキャンペーンの結果困るのは、国や総務省ではありません。泉佐野市にふるさと納税をした人が住んでいる自治体です。
自分がお得だからいいというのであれば、目先は確かにお得です。ただこれが続くと制度そのものを廃止しましょうという話になりかねません。制度を長く続けて欲しいのであれば泉佐野市の誘いに乗ってはいけません。
そして、泉佐野市。
確かにこんな中途半端な問題のある制度を作った総務省に反発する気持ちはわかるし。財政が厳しい中、工夫しながら制度の穴を付いて寄付を集めたことは評価できます。
ただ、今回のキャンペーンは自分のとこだけ良ければいいのか?という点で、制度の問題点に対して取る方法ではないと思います。
また、このままいくと6月までに外されることは無いにしても、6月以降は制度対象外にされる可能性が非常に高い。そうなると、泉佐野市に寄付しようなんて人はいなくなり、泉佐野市民から他の市町村への寄付により、以前にもまして税収が減少し、財政が苦しくなることになるでしょう。
それこそ泉佐野市が破綻しないのか?と心配になります。
そうなってから制度がおかしい、ふるさと納税廃止とか言い出しても、散々好き勝手やっておいて何を今さら・・・となるでしょう。
結局、自分たちの首を絞めていることになりかねません。
個人的には、ふるさと納税制度は廃止か、抜本的な内容変更が必要だと思います。変更の影響が大きくならないように、なるべく早くです。
今の制度は基本的に高額納税者優遇制度です。そして自治体全体としての税収が減ってしまう制度です。少しでも減少を抑えようと、人件費をかけて返礼品を準備して寄付の呼び込みをしているのです。しかしながら、元々の設計が税収減となる制度なので、税収を増やすとなると、制度の穴を付いて泉佐野市のようなことをするしかありません。
今の状態は、自治体間で共食いをしているようなものです。
大都市が税収減となり、地方が潤うなら良いのではとの意見もあるが、潤っているのは一定規模の地方都市が多く、十分な返礼品を準備できない小都市の場合、雑誌などでも取り上げてもらえず、税収減となってしまいます。
ここまで放置した総務省はどういうつもりなんでしょう?
責められるべきは総務省です。また、自治体から制度廃止の声が出てこないのが不思議でなりません。
だからと言って泉佐野市のやり方は自殺行為です。
泉佐野市にふるさと納税をする人が気にするのは、6月までに制度対象外になり、控除されなくなるリスクがあるかだと思います。この点について、6月までは大丈夫だと思います。後出しで控除対象外にされることは無いでしょう。6月以降は今のままだと対象外になりそうです。
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