「かんぽ生命」の問題は根が深そう

かんぽ生命が大変なことになってます。株主でないし、保険契約もしてないので、ちょっと部外者感があってもご容赦ください。

 

4月の売り出し価格2375円で買った人はやり切れない思いがあるかもしれません。4月の時点で分かっていたとしたら確かに問題になりますが、保険契約で一定数のクレームがあるのはどこでもあることで、どの程度状況を把握していたかが気になります。

ただノルマやパワハラまがいの営業管理を当然のようにやっていた感じがあるので、多少の問題はあるけど大きな問題でない程度に考えていたんでしょう。

 

かんぽ生命保険(7181:東証1部)の株価は1797円まで下げていて、

指標的には、

  • PER:11.59倍
  • PBR:0.50倍
  • 配当利回り:4.23%

となってますが、安易に手を出さない方がいいと思います。

今回の問題がどこまで影響が出るかはまだこれからの話です。新規契約が減っても、日本郵政への営業手数料を抑えて、既存の契約分で利益を出せるかもしれません。解約も損をするのは契約者なので、多少増えても大きな影響がないかもしれません。

ただし、契約方法に問題があって、違約金という契約が多数出て来ると利益減に直結していきます。

騒動が収まった後も不透明です。ノルマを廃止すると言ってますが、そもそも歩合制で契約を取らないと給料が低くなるので営業の人は生活ができなくなるでしょう。本当に必要な人にだけ保険を売っていたら、今の人員は不要になり、仕事を失う人が多数出るでしょう。

給与体系を抜本的に変えるにしても、顧客重視で本当に必要な人にだけ売った場合、契約数は大幅減です。それで利益をどうやって維持するのか。当然無理なので人員を減らすことになるでしょう。

どう転んでも規模縮小していくしかないはずです。利益が減れば配当は当然減るし、株価も維持できると思えません。

そう思うと、パッと見で割安なところまで下げているなぁと思っても手を出さない方が無難です。

こんなリスクの高いところに飛び込まなくても、リスクが低くて安定している会社はいくらでもあります。

 

ちなみに、かんぽ生命よりも影響が大きい可能性があるのが親会社の日本郵政(6178:東証1部)です。かんぽからの手数料を大きな収益源にしています。それが無くなれば郵便事業だけで利益を上げていくのは不可能です。

ゆうちょ銀行があるじゃないかという人がいるかもしれませんが、銀行による投資信託販売も保険同様にグレーな営業をしている可能性があります。いずれもネット時代で大きく業務転換が必要な産業だけに今後の厳しさは同じです。

「ノルマをなくしました」で再生できる問題では無いです。

 

よっぽど慣れた人かばくち打ちの人以外は、敢えて近づく必要が無い銘柄かなと思います。

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