メタルアート(5644)へのTOBが発表されました。会社が応募推奨して9月の配当金をゼロにしたので不成立の可能性は低いかもしれないけど、価格的には愚痴りたい買取価格。上場廃止になるので最後の記録です。
TOB概要
TOB概要
- 買付者:Gerbera holdings 株式会社
- 買付価格:7,600円 ⇒ 7,713円
- 2026年5月14日 終値:5,480円
- 期間:5/15 ~ 6/25 ⇒ 7/13に延長 ⇒ 7/28に再延長
- 買付け予定数の下限:867,000株 ⇒ 849,600株
- 公開買付代理人:野村證券
会社の立場
- 会社の立場:応募推奨
筆頭株主であるダイハツ工業とはTOB後の保有比率含めて話がついている状態。
TOB価格 7,600円は5/14の終値5,480円や過去最高値6,050円に対して十分なプレミアムに見えるが、同日発表の2026年3月期決算での1株当たり純資産は9,095.16円であり、PBR 0.84倍しかない安値水準。
更にケチをつけると、決算発表で上方修正を実施。

それにもかかわらず、期末配当の増配は無し。9月配当は上場廃止見込みで0円に修正しているので実質的に最後の配当なのに・・・。

他の会社の決算の流れを見ても、上方修正の有無にかかわらず期末増配した企業が多い中、30%の上方修正をしておいて増配無しですか?
しかも数年前から目標配当性向30%を掲げながら最後の配当性向は16%。退場してもらう少数株主には餞別もくれてやらないぜという不誠実な姿勢を最後まで見せてくれました。
TOBは成立するのか?
PBR0.84倍と書きましたが、簿価で参入されている南草津本社の土地を時価評価すると、実質的なPBRはもっと低いです。4万平方メートルほどで帳簿価格は5億円程度ですが、20万/m2くらいにはなると思うので、ザックリ80億円。7,600円はとんでもない買い叩き価格であると言えます。
成立のためには
- 買付け予定数の下限:867,000株 ⇒ 849,600株
これを満たさないといけませんが、筆頭株主のダイハツ工業保有分と自己株式は除外されます。それ以外の株式総数から集めないといけません。2位株主のゴーシュー約12万株は話がついているにしても、それ以外、滋賀銀行などの友好的な株主の保有数は多くありません。
不成立になりそうな場合に、買取価格が上がるのか、買主が手を引くのかわかりませんが、とりあえず様子見、売却するにしても一部にとどめようと思います。
MI2から大量保有報告書(5/28~追記)
MI2+村上貴輝氏 保有株数推移
5/27にMI2から大量保有報告書が提出されました。それに伴い、株価は7660円とTOB価格を明確に上回る水準で推移し始めました。

MI2の購入者:村上貴輝氏は、村上ファンドで有名な村上世彰氏の長男になります。アクティビストの参入でTOBの先行きがわからなくなってきました。

メタルアートの株主構成は上記となっており、ダイハツ工業と自社はTOBから除かれます。ゴーシューは滋賀県内の協力会社で、今回のTOBには応募確定です。3位株主の松澤孝一氏は、2023年に期末配当を100円にという凄くまともな株主提案をされた個人投資家さんで、株価がTOB価格を上回っている状態でTOB応募は無いと思います。
この状態で86.7万株は、成立しない可能性が高まってきました。
購入株数の推移(カッコ内は1日の出来高)
- 5/19 152,000 4.81%(257,300)
- 5/20 47,100 1.49%(87,400)
- 5/21 45,800 1.45%(60,800)
- 5/22 38,500 1.22%(51,200)
- 5/25 29,500 0.93%(50,200)
6/1提出分(5/25まで)からは、村上貴輝氏とMI2での保有となっています。
6/3提出分から書き方を変えます。
- 5/27(6/3提出):8.8%(村上氏)+2.7%(MI2)
- 6/1(6/8提出):8.8%(村上氏)+3.84%(MI2)
- 6/15(6/17提出):8.8%(村上氏)+5.45%(MI2)
- 6/17(6/17提出):8.8%(村上氏)+6.58%(MI2)
- 6/25(7/1提出):8.8%(村上氏)+8.19%(MI2)
- 7/9(7/16提出):8.8%(村上氏)+8.95%(MI2)+0.8%(MI5)
- 7/17(7/27提出):8.8%(村上氏)+8.98%(MI2)+3.4%(MI5)
- 計 668,500株 21.17%
TOB 公開買付期間の延長(6/25開示)
6/25 TOB期間終了ギリギリに期間延長の開示が出ました。7/13まで延長となります。買付け者側から見るとほぼ敗北宣言です。今日の開示では買付金額の引き上げはありませんが、条件変更なしに応募が集まるとは思えません。延長した期限までに価格引き上げか、中止撤退かの判断が行われると思います。
TOB 価格など変更+公開買付期間の再延長(7/13開示)
7/13 延長後のTOB期限最終日の後場中に新しい条件でのTOB期間延長が発表されました。
- 価格変更:7600円 ⇒ 7713円
- 買付予定数下限:867000株 ⇒ 849600株(29.68%)
- 買付期間:7/28(火)
- 今後、本公開買付価格を一切変更しない
引き上げ幅は、なんと113円(想像していた最低条件の数分の1)。買付予定数下限も必要最低限までの引き下げを行い、「今後、本公開買い付け価格を一切変更しない」とのコメント付きで7/28までの延長となりました。
ちょっと悩ましい。7600円で納得してなかった人たちは、この程度の引き上げで納得すると思えないので、価格的には成立が厳しい。だからよけいに「ここまで」という強いコメントを入れて応募を促している感じ。
成立が困難な場合、こんなPBR1倍を下回るような条件でTOBをあきらめる理由が思いつかない。また、TOB中止となった場合、村上系が17%近い保有数で株主として残ることになり、当然厳しい要求を会社側にしてくるはず。その方が面倒と考える気がする。
どっちに転ぶか全くわからんので、最初の延長の時に買い増しした分くらいを売却しました。残りは、継続保有して成り行きに任せます。
TOB不成立 今後どうなる?
TOB不成立後の予想
再延長されたTOB期間7/28が終了し、結果について7/29に開示がありました。
- 応募株数:721,295株
買付予定数の下限(849,600株)に満たないため、TOBは不成立となりました。この結果、申し込みをされていた場合、全て返却されることになります。
問題は今後どうなるかです。TOBは無かったことになりましたが、村上氏側の20%以上の保有が無くなるわけではありません。このままでは、ダイハツ工業に次ぐ圧倒的2位株主となります。今の株価で手放しても利益は出ないので、当然、会社側に何らかの要求を突き付けてくるはずです。
7/30以降、株価が下げることも予想されますが、その場合、村上氏側がさらに買い増すことも考えられます。また、村上氏が個人が保有する流動株を大量に吸い上げたことや、TOB価格に納得できなくて申し込みをしなかった株主が大半であることから、安値での売りは出てこないことも考えられます。その場合、今後の村上氏の要求を期待して株価は上げるかもしれません。
今後を予想する上での過去事例として、ウェーブロックHD(7940)が参考になると思います。
- 2025/10/31 921円でのTOB発表(株価724円)
- 12/16 TOB期間終了 不成立(1191円)
- 12/29 不成立後の最高値 1412円
- 2026/3/10 旧村上F系から1070円での買取提案
- 株価は1070円前後まで下落
- 2026/7/9 株式併合により上場廃止(1057円)
最終的にはTOB価格より高く決着したものの、期待でつり上がった市場価格よりは下だったという感じです。
村上氏側も会社側も今の株主構成を続けるメリットは何もないので、中間決算の前までには何らかの動きが見られるのではないでしょうか?
MI2+村上貴輝氏 保有株数推移(不成立後)
TOB不成立後、株価は7000円強まで下落したものの、村上氏の買い増しが続いていることが明らかになり、7200~7300円あたりで推移しています。
- 7/27(8/3提出):8.8%(村上氏)+8.98%(MI2)+4.6%(MI5)
- 7/30(8/6提出):22.00%(村上氏)+2.70%(MI2)
- 8/5(8/13提出):22.17%(村上氏)+4.57%(MI2)
- 計 844,200株 26.74%
売買記録
売買記録です。
購入記録
- 購入開始時期:2021年3月
- 購入開始価格:1,781円
滋賀県本社の上場企業を調べていて存在を知る。そのころは今よりもさらに激安PBRだった気がする。自動車部品系は村上開明堂(7292)を主力で保有していたこともあり、最初はここなら株主総会に行きやすいなという軽い感じで少量保有。少しまともに会社を調べると、ダイハツ系ということもあり、トヨタとの取引が少しずつ増えてマイルドな成長性を確認。自動車部品系への資金集中を気にしながらも2000円前後で少しずつ買い増し。
ところが、2023年12月にダイハツ不正が発覚。3500円前後で200株だけ残して売却。2024年に入り、ダイハツ不正問題の終わりが見えてきたので少しずつ買い戻し。株主総会出席をきっかけに、南草津の本社工場の土地価格を計算してみると時価総額並みでは???と思い、3000円割れ水準でダイハツ不正前水準を上回る株数まで買い増し。
2025年に入り、4000円、4500円、5000円、5500円、6000円あたりで少量ずつ利確。ピーク時の6割くらいの株数を残した状態で7600円TOB発表。
配当金(税引き後)
- 625,060円
売買利益(税引き前)
- 現物保有分:10,755,100円(仮)
- 信用売買:4,785,750円
株主総会と工場見学



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