成長株投資のノウハウがギッシリ詰まった濃厚な本でした。この本に書かれたことを実践すれば、かなりの高確率で利益が積みあがると思います。実際、はっしゃんさんの投資実績もすばらしい。
正式な本のタイトルは
「株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える 決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方」
・・・長い!!!
簡単に書くと、
- 成長株を探し出す
- 適正価格で購入
- 決算書をチェックしながらガッチリキープ
というやり方が書かれています。
問題は、この本に書かれたレベルを実践できるのか?ってところ。
成長株投資の考え方自体はそれほど凄いことが書かれているわけではなく、普通と言えば普通です。すごいのはデータ処理と解析力。なかなかここまでの定量的評価はできません。四季報速読動画のように銘柄を絞り込んで、あとは仕組みさえ作ってしまえば機械的な処理で済むのかもしれませんが、IT技術が無い人にはそれがなかなかできない。
私もここに書かれている数分の1程度のデータ処理をしようとしたことがありますが、まぁ続きませんでした。これは好き嫌い、向き不向きもあるのでどうしようもありません。
はっしゃんさんが実際に使われている分析ツール(ホームページ)へのアクセスも書いてあるので、これを利用すればすぐに真似することはできます。私も何回か使ってみたことがありますが、改めて全体像を見るとホントに色々な解析ができます。
【kabuka.biz】株初心者向け株式情報サイト
ということで、こんな感じの本です。
- 成長株の中長期投資メイン
- 初心者には難易度高め
- データ処理が苦でない人
- 高確率で高収益を出したい人
バリュー投資メインや優待投資メインの人も、成長株投資の視点を持って銘柄選択をすると、大きく外すリスクが下げられると思うので、一読する価値があります。
初心者の人には難易度は高めだけど、取りあえずそれっぽい銘柄を1つ買ってみて、実際に解析しながら繰り返し読んでいると理解が深まると思います。それに1,2年使っても、投資スキルは一生ものなので価値があります。
タイトルの「3分速読」ってのは無い方が良かったような気がしますが、そこは発行元の都合もあると思うので気にしないとして、成長株投資家がどんな視点で銘柄選択をしているのかが具体的に説明されており、銘柄選択レベルを上げるのに参考になる本です。
ちなみに私の銘柄選択方法の一つはこんな感じ。
はっしゃんさんほどに解析すれば高確率で高騰する銘柄を掴めると思いますが、投資の世界は0か100ではないので、私はもう少しザックリとした半定量調査で銘柄選択をしてます。その分、外れも多くなるので銘柄を分散します。そうすると1銘柄当てても大きく資産が増えなくなりますが安定性重視です。
細かいデータ処理を自分でするのは諦めているので、財務諸表などはGMOクリック証券の銘柄分析ページを参考にしてます。
例えば、日本商業開発のBS,PLだとこんな感じ。
グラフィック表示されて推移が見やすいです。
業績推移はSBI証券で見ることが多いです。あとはヤフーファイナンスの株価10年チャート。見ているポイントは似たような感じですが、細かな計算とかはせず、最後はフィーリング。数打てば当たる作戦。
成長性を加味すると高PER、高PBRでも買えることはわかっていても、そこはビビりなので手を出しにくく、成長性へのウエイトは2,3割で、バリュー度の方にウエイトを置いて銘柄選択することが多いです。
コメント
テクニカル系の本は、後講釈の「占い」みたいで、だいたいスルーですが、逆にファンダメンタルズ分析系のまともな本は、そうなんだろうけど、そこまでできんし、その判断で集中投資とか、さらにできん・・・、というような場合が多いです。
それでも、発想としては後者の方がまともなので、参考にはなります。
結局、私自身は「雰囲気ファンダメンタルズと位置だけテクニカル」からなかなかレベルアップしません。
結局、事業内容の独自性、ビジネスモデルと参入障壁、利益率と成長性等を総合的に勘案というか、雰囲気で見て、候補を選定しているような感じです。
上値を追って人気化しているような銘柄は、それだけでスルーしたりします。
で、細かく100株とか200株という銘柄が増えて行っている感じです。
数銘柄とかは無理でも、もうちょっと丁寧に絞り込んだ方がいいのだろうとは思いますが・・・。
そうなんですよ、私も「雰囲気ファンダメンタルズと位置だけテクニカル」ですね。まぁ3割バッターで満足するか、4割バッターを目指すかの違いだと思ってます。
本を出すレベルの人はどこか突き抜けてますね。