新規投資先として、みずほリース(8425)を購入しましたが、他にも魅力的な優待が有り株価も割安放置なリース会社が多いため、投資先としてどうなのかを考えようと「リース業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書」を読んでみました。
リース業界ってバルク買いしても大丈夫かな???というのに答えは見つかったのか?
各章ごとの読後メモです。
リース業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書
Chapter 1 リース業界の最新動向
- 会計基準変更の影響を受ける
- 2007年の会計基準変更でリース離れ?
- リースは金融業、でも日本ではサービス業的なところも
- リースにプラスアルファが必要
Chapter 2 リースの基本
- リースとは「lease(賃貸)」、要はモノの貸し借り
- リースはリース会社、ユーザー、サプライヤーの「三方良し」な仕組み
- ファイナンス・リース:9割(中途解約不可、リース料は全額回収)
- オペレーティング・リース:1割以下(中途解約、全額回収を満たさない取引、中古市場がある自動車、航空機、医療機器など)
- リースとレンタルの違い
- リースは金融サービスの一つ
- リースの1/3は情報通信機器
- リースで事務手続きを簡素化
- リースで設備廃棄もお任せ
Chapter 3 リースのビジネスモデル
- 収益源は手数料
- リース料の内訳は謎
- リースは通常、無担保
- ユーザー倒産で回収した物件に価値は無し
- リース料支払いのプライオリティは他の費用より高い
- 保守や修理を含めたメンテナンス・リース(特に車)
- リース終了後の物件は、リース会社が処理
- リース会社は、助成金・補助金の申請サポートが得意
Chapter 4 リースが利用される業界
- 鉄道車両、自販機、レジ、コーヒーマシン、オフィス機器
- リコーリースは、中小企業向けにオフィス機器をリースしたのが始まり
- 建設業界はリース+レンタル
- オリックスは製造業の機械リースからスタート
- 世界の航空機の4割はリース物件
- オリックスの航空機リースは、自社よりも管理物件の方が多い
- 医療機器のリースはこれからも伸びる
- 再生可能エネルギー事業もリース向き
- 2004年の地方自治法改正を切っ掛けに官公庁向けリースが成長中
- 運輸業界はメンテナンス・リースが魅力
Chapter 5 リース業界から生まれたサービス
- オリックスは「隣地戦略」で事業拡大
- フィンテックや省エネ施設(ESCO)事業も
- リコーリースは集金代行サービス
- リコーリースの給与前払いサービス「RiLTA」
- 公共施設の運営、PFI事業に参加
- リユース・リサイクルへも進出
Chapter 6 リース会社の仕事と組織
- エリア営業:金融、会計、法務などあらゆる知識が必要
- 専門営業:特定業界についてさらに深い理解が必要
- サプライヤー営業、海外営業
- 審査部、財務部、広報部、法務部など
- 各部門が協力して最終的なリース契約となる
Chapter 7 リース業界地図
- 主なリース会社で二百数十社、資本金100億以上で18社
- 会計基準の改正で大企業がリース離れ、一方で新規事業開拓へ
- ルーツは「メーカー」「商社」「金融機関」「独立系」
- メーカー:NECキャピタルソリューション、リコーリースなど
- 金融機関:みずほリース、芙蓉総合リースなど
- 脱リースで新しいリース周辺ビジネスをフォロー
- 多角化が進んだオリックスでは、金融関連は2割に
- リース取扱高の減少と共に業界再編が進む
Chapter 8 リースに関連する法律・会計
- 銀行からの出資比率5%以上は銀行法の規制で事業領域が狭まる
- リース期間は法定耐用年数より短く設定
- 2008年から大企業は会計処理上オンバランス(資産、負債計上)に、貸借対照表の見た目が悪くなる
- 会計基準によってリースの取り扱いが異なる
- 流れとしてはオンバランス化(IFRS:国際会計基準)へ
- オンバランス化するとROAが低下して株価下落へ
Chapter 9 リース業界で求められる知識・スキル
- 会計知識がまずは必要
- 税務知識も無いと困ります
- 法律知識も各分野ごとに
- ファイナンス全般の知識(手段はリースだけではない)
- コンサルティング
- 担当業界に関する知識
- ほか・・・
Chapter 10 リース業界の課題と展望
- オペレーティング・リースを伸ばすのが目指す方向(今は1割)
- 「医療・介護」「環境」「航空機」「グローバル化」の4市場を狙う
- 日本は設備投資に占めるリースの割合が低い(借入や内部留保が多い)
- 新興国で伸び率が大きい(資金が無い)
- 付加価値の付いたメンテナンス・リースにも期待(自動車以外に広がるか?)
- 個人向けが伸びていくかどうか
- 新しい技術への対応
まとめ
気になったキーワードを抽出しました。これを見て何となくイメージできるなら、ある程度リース業界をわかっている人です。そうでないなら、リース業界を理解するため、この本を読んでみても良いと思います。
「高校生にもわかるようにしましょう」というコンセプトで書かれており、左に説明文、重要なところはカラーで強調、右に説明文の理解を助ける図が載っていて、読みやすくリース業界の概要が理解しやすい本になってます。
以下は勝手な理解なので違ってたらゴメンナサイ。
- 意外と新しい業界
- 取扱高は停滞中だけど伸びしろはある
- コロナの影響は限定的
- 景気の影響は受けやすい
- 今後さらなる業界再編が・・・
最後に、一言でまとめるリース業界とは
総合リース会社は、総合サービス会社。新たな仕事を「創る」ことが可能な多能集団。
まだまだ成長の余地がある面白い業界。会社ごとに特徴があるので、広く浅く持つには良いかも。再編がらみも面白そう。法改正や社会変化の影響を受ける点は注意が必要。
新型コロナウイルスの影響は会社によって扱っている領域が違うので注意が必要だけど、保有契約については直撃するのはユーザー。ユーザーが破綻しだすと影響大。今後分は、景気が低迷して企業の設備投資が鈍れば一緒に落ち込む。
当面株価は低迷しそうですが、元々が割安な分、ここから大きく下げることは無いと思います。安いところでバルク買いしておいても良さそうです。
『みずほリース』の新規購入についてはこちら
コメント
そうそう、リース会社ってよくわかりませんね・・・。
優待はクロスでよく取っていますが、PFに組み入れたことはありません。
総合商社やオリックスとかと重なるところもあるのかな。
本の中では銀行と商社の間っていう表現でしたね。
リースで始まって周辺領域に進出して何の会社かわからなくなったのがオリックス。
私も金融系はPFに組み入れることは少ないですが、リース会社は優待+配当で安定利回りもあるので、主力銘柄にはしないけど優待銘柄扱いで最低単位ずつという感じです。