今回読んだのは「No.1アナリストがプロに教えている株の講義(吉野貴晶 著)」です。
ザックリ言うと「企業業績や財務状況に着目したファンダメンタルズ投資の手法を土台に、銘柄選別法を探る。」という感じです(たぶん)。
指数の有効性評価の検証で個別銘柄は出てきますが、最終的にこんな銘柄がお勧めというような具体的な例は出てきません。
直ぐに使えるテクニックではなく、どういう視点で銘柄選択をするのかというところで参考になるところはあると思います。投資期間としては中長期投資。バリュー株の話が多め。
テクニカル投資による短期投資の話は一切出てきません。
No.1アナリストがプロに教えている株の講義
各章ごとに気になった点をメモ書き。覚書みたいなものなので、本の内容を表しているわけではありません。
書き方が難しくて理解が追いつかない(理解する気が無い)ところもちょいちょいあって、そういうところは飛ばしてます。
第1章:ファンダメンタルズ投資の基本
- 基本は、PBR、PER、ROE、配当利回り
PBR、PER、ROE、配当利回りの意味は分かるけど、この数値を元にどのように銘柄選択に繋げたらいいのかわからないという方はどうぞ。
各指標を目安とした投資法が有効かを検証した結果が説明されています。配当利回り検証の例が日産自動車。配当利回りは利益の伸びなどで二重にチェック要です。
第2章:プロなら知っているファンダメンタルズ投資の注意点
単純に増益予想企業を選んでも、元々の株価が高かったらそこから更に上昇するのは難しいよという話を始め、様々な指数や投資手法に対して理論的な説明をされてます。
とりあえず・・・頭が疲れるので流し読みしました。
投資経験豊富な人なら、理論的な裏付けは別として何となく理解している内容です。
第3章:高ROE企業をさらに選別する方法
タイトルの通りROEに関してより突っ込んで検証した内容です。ROEに注目して投資をする場合の注意点などの説明。
うーん、これまた途中から嫌になって流しました。何となく言っていることはわかります。
私も銘柄選択ではROEは見てます(PER、PBRはもちろん見ます)。ただ、ROEに加えて、ROAの方も同じくらい重視してます。自己資本比率を気にして、より安全性を重視している感じ。
第4章:3銘柄目はバリュー株投資
ROE期待のクオリティ銘柄2つにPER・PBR重視のバリュー銘柄1つを組み合わせましょうという話。異なる観点で選んだ銘柄を組み合わせることで、より安定的に高収益が得られるという検証。
よく言われる分散投資の重要性と同じだけど、違うタイプを組み合わせた方が効果が大きいです。
私の場合、全体的にバリュー寄りですが、多少は意識して分散してます。そうは言っても偏ってますが・・・。
第5章:銘柄選別の新たな視点
- 人間の行動は合理的ではない
他にも色々書かれているけど、まぁそりゃそうだろうなという内容。
第6章:いま、世界の投資家はファンダメンタルズをこう読む
原油価格や円相場など、いろいろな株価材料に対しての考え方を解説。
まとめ
この本を読んだからと言って、すぐに機関投資家に対抗できるような知識が付くことはないです。あくまでも考え方の本なので細かいテクニックの話はありません。
機関投資家の考え方を参考にして自分なりの銘柄選択をしていきたいなら、読んでみると参考になる点が見つけられると思います。
こんな人に参考になりそう
- 中長期で投資を考えたい人
- 自分で銘柄選択を始めたいと考える中級者の方
- 大儲けよりは損をする確率を下げたい人
PBR、PER、ROE、配当利回りあたりの指数がどういう数字かが理解できていて、ある程度は個別株投資の経験が無いと、説明を理解できないと思います。また、この本を読んで具体的に銘柄選択ができるようになるかと言われると疑問。
一方、そこそこ個別株投資経験が有ってそれなりの投資成績になっている人なら、まぁそりゃそうだよなという内容の本です。
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