トラスコ中山(9830)の株主優待廃止が優待投資家の間で話題になってます。短期的には優待投資家の売りが出そうですが、長期的に見たら本業との相乗効果が小さい株主優待の廃止は、コスト削減になって業績にはプラスだと思います。
他にも優待制度変更のIRが色々出て来ていて、自分と関係している所では、3月に優待クロスで優待取得した平和(6412)の優待改悪や、6月に優待クロスで優待取得したGenky DrugStores(9267)の優待変更が発表されています。
平和は楽天長期で9月分を建てたばかりだったのですぐに解消、ゲンキーは次回12月分からということで6月分は変更なしです。
新型コロナウイルスの感染拡大による業績への影響もあり、今後も優待制度見直しは続くと思われます。コロナショックの時に自分の保有銘柄について優待変更危険度チェックをしたので、その中から変更可能性が高いと感じた銘柄を紹介します。
保有銘柄で優待変更リスクの高い銘柄
変更リスクの考え方
評価したのがコロナショック真っ只中のころなので、状況が変わっている可能性があります。変更と言っても長期条件付与のマイルドな物から廃止まで幅広いです。必ずしもマイナスではありません。
ポイントは
- 還元率が異常に高い
- 本業との関連性
- 業績
- 企業規模と株主数
この辺りだと思います。外食の割引券のように本業との関連性が高いものは改悪は有っても廃止リスクは低いです。クーポン配布のようなものです。一方で単にクオカードを配って株主数を増やしたいような会社は、目的を達したら継続する理由はありません。
この会社って何のために株主優待をやってるんだろうというのが不明な会社は変更リスクが大きいです。
評価対象は自分の保有銘柄なのでこちら
ブロードリーフ(3673)
- 権利確定月:12月末
- 最低必要数:500株
- 株価:527円(8/21)
- 優待内容:Visaギフトカード 5,000円(500株)
- 保有株数でランクアップ:有り
- 長期保有条件:無し
利回り2%程度の高額ギフトカード。長期保有条件くらい付けたらと思うけど。
第一稀元素化学(4082)
- 権利確定月:3月末
- 最低必要数:100株
- 株価:740円(8/21)
- 優待内容:クオカード 2,000円
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し
株価に見合わない高額金券類は改悪リスクが高いです。そう言いながら最近購入したばかりなんですけどね。
2020年9月19日に優待廃止を発表(2020/11/21追記)
竹本容器(4248)
- 権利確定月:12月末
- 最低必要数:100株
- 株価:929円(8/21)
- 優待内容:自社開発したオリジナル容器を使用した特選品
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し
初回優待から4年連続で貰っている会社。容器がメインでお菓子などの評価は微妙。会社の規模を考えると株主数が増えすぎていて、優待負荷が大きい気がします。
ユニバーサル園芸社(6061)
- 権利確定月:6月末、12月末
- 最低必要数:100株
- 株価:1,835円(8/21)
- 優待内容:クオカード 1,000円
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し
ここは既に6/15に改悪発表済みでした。6月末は2,000円のクオカードだったのが1,000円に減額されました。単に株主数を増やしたかっただけなのに東証1部への変更も遠のき、変更は時間の問題と思っていたので予想通りです。
個人的には優待クオカードはどうでも良くて、9月開催の株主総会でいただける植物の方が重要なんだけど、さすがに今年は総会土産も廃止なんだろうなぁ。
九州リースサービス(8596)
- 権利確定月:3月末
- 最低必要数:100株
- 株価:581円(8/21)
- 優待内容:クオカード 1,000円
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し
業績も大きく悪化してないので廃止とかは無いだろうけど、長期保有条件くらいは付けたらと思う。
エスリード(8877)
- 権利確定月:3月末
- 最低必要数:100株
- 株価:1,276円(8/21)
- 優待内容:カタログギフト 3,000円相当
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し
コロナ下でも意外と業績は好調なので、いきなり廃止とかは無さそう。長期保有条件くらいは付けたらと思う。
フジ・コーポレーション(7605)
- 権利確定月:4月末
- 最低必要数:100株
- 株価:2,087円(8/21)
- 優待内容:三菱UFJニコスギフトカード 5,000円(100株)
- 保有株数でランクアップ:有り
- 長期保有条件:1年以上継続保有
既に継続保有条件は付いているし、業績もコロナの影響があるとはいえ酷くは無いので、現状の優待を維持して欲しいけど改悪を頭の片隅に・・・。
日本管財(9728)
- 権利確定月:3月末、9月末
- 最低必要数:100株
- 株価:1,975円(8/21)
- 優待内容:「ギフトカタログ」掲載品目から1つ(2,000円相当)
- 保有株数でランクアップ:無し
- 長期保有条件:無し(継続保有3年で3,000円相当にランクアップ)
業績は好調なので廃止の可能性は低いと思いますが、株主数5万人は会社の規模から考えて増えすぎと思います。
1回への変更、長期保有条件の付与程度は有っても良いかと。
最後に
私の場合、優待メインで保有してないので極端に廃止リスクが高いものは無いと思ってますが、今回取り上げた銘柄の中で次に変更発表がありそうなのは、
『竹本容器』、『日本管財』と思います。
株主優待は優待投資家にとっては死活問題かもしれませんが、長期投資で考えると無駄なコスト削減や株主還元の公平さから見て悪い事ではありません。
ユニバーサル園芸社は、以前は主力銘柄として保有していましたが、主力から外した理由の一つが100株株主だけがお得すぎる株主優待設定でした。そうなると優待プレミアムの危険性もあり保有株数を増やす気になりません。
何の目的で優待を導入しているのかわからない会社はたくさんあるので、コロナショックを切っ掛けに優待制度見直しは続くと思います。
優待変更による株価への影響は必ずしもマイナスではなく、プラス評価されることもあるので冷静に対応したいものです。
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